召還

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中東の砂漠地帯。 日中の暑さは日本のとは比べられない程の暑さであった。 反面、夜は骨まで凍るような寒さが襲う過酷な環境は人間を否定するようだった。 そんな場所に「陸上自衛隊中東派遣隊」の駐屯基地はあった。 石油の利権を争い再び中東の湾岸地帯で紛争が起こり、アメリカを中心に連合軍が編成をされ「国際協力法」 ━自衛隊海外派遣法とも呼ばれる━にもとずいて自衛隊は陸上、海上、航空の自衛官を派遣したのである。 もっとも、紛争に直線的に参加するのでは無く、友軍の後方支援並びに重要施設の警護のみだけだが、世論は戦争の反対、海外派遣の即時中止に傾いていた。
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