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人間は嫌い
私達の気持ちも知らないで
持て囃して
甘やかして
飽きれば私達を捨てるの
「ほら御覧なさいあの店の猫、ころころ太ってみっともない」
「あの子も人間に拾われてからおちたものよね」
最近私達の仲間はすっかり人間に手懐けられて
にゃんにゃんと情けない声を出して
食べ物をねだっている
「黒猫は、あんな風になっちゃだめよ?あんなの猫の恥だわ」
「当たり前でしょ?私はあんな風になりたくない」
私達のら猫には名前がない
親の姿も見たことがないし
誰の頼りにもならずに生きている生き物
哀れ?可哀想?
そんな言葉を口にされてもなんとも思わない
だってこれがのら猫だもの
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