Prologue

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「その本、面白いよな」 放課後、いつもの様に窓際の席で読書をしていた僕に話かけてきたのは、つばのついた黒いニット帽を目深に被った一人の男子生徒だった。 どうやら髪の毛も黒いみたいだ。ニット帽から僅かに髪がはみ出ている。 鍔があるせいか目元が見えず、表情も上手く読み取れない。 僕は何て返事をしたら良いのか分からずに、ただ呆然と相手を見上げていた。 「あの……聞いてる?俺もその人の本、好きなんだよ。」 「え…、あ…。そう、なんですか…」
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