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「でも、この悲鳴の量、半端じゃないよな?」
「確実に参加者も引っ掛かってるわよね?」
“本当に、ユキちゃん一人で仕掛けたのかな?”
正直疑わしい。
こんな量を一人で、誰にも見つからないように仕掛けるなんて、不可能に程近いだろう。
「絶対プロの仕事だよな?でも、《TRAPPERS!!!》に依頼しても、仕掛けてもらうのは高額過ぎて学生が払える金額じゃないし、こんなに多くの種類の罠の計画書を買うのは無理だろ?だとすると誰が?」
「いや、それは…」
「僕だよ?」
思わぬカミングアウトをしたのは、ユキちゃんだった。
「…神出鬼没…。」
「何言ってんの?美葛ちゃん!ホント、面白いよね!」
「なぁ!依頼したの、本当に時枝なのか?」
「うん!僕の家、お金持ちだから!」
「ちなみに値段は総額いくら?」
ユキちゃんは、にっと笑うと託斗にヒソヒソと耳打ちした。
「…。…え゛!?」
「えへ!」
「えへ!じゃねぇだろ!」
“またすごい金額言ったんだろうな…。”
二人を見ながら、そう考えていると、今度は私にユキちゃんが耳打ちした。
「実は、澪にも手伝ってもらったんだよ!」
「え…二人でやったの?」
ユキちゃんはニコッと笑った。
明らかな肯定の反応だ。
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