終章

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近々、第一回目の裁判が行われると教えてもらったが行く気にはなれなかった。 一つ変わったことがある。正式に養子縁組みが決まり、楓は畠山楓となった。畠山家を継ぐことはないが、楓にとってはかけがえのない家族とまた深くつながれたような気がしてうれしかった。 しかしその畠山の性もいつまで名乗れるかはわからないがまぁいいとしよう。 相変わらず学校生活は男っ“ぽい”格好で過ごしている。だが最近は、どこかの馬鹿のせいで伸びてきた髪の毛のせいもあってか女と認識される方が多い。 元々、奏の代わりになろうとするあまりありもしない因習を頭の中に作り上げたのは楓自身なのだ。思いこみとは時に恐ろしいと痛感した。学校生活では、意外に性別を気にする人がいなくて助かった。これでしばらく四人で馬鹿ができる。
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