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そこは、この街の中で一番立派な建物だった。
ヴェルを除く四人は、しばらくその建物をボーッと眺めていたが、
「こんなもの、珍しくないだろう。早く入ろう」
と言うヴェルの声に(レイは若干ムッとなりながら)現実に引き戻され、五人は中に入って行った。
扉をくぐってすぐのところ、玄関で出迎えたのは、一人の男性だった。
「なんだい君達は?
ここは子供の来るところじゃないよ?」
平均年齢16.5歳の彼らを見たら、当然の言葉だとは思うが、ウィンは気に触ったらしく、声を荒げた。
「なっ…オレはガキじゃねぇ!」
「ウィン!余計お子様に見られるからやめなさい!
…私達、貼り紙を見て、夢に出るっていう魔物を倒しに来たんです」
叱られてシュンとなるウィンから視線を逸し、レイは淡々と説明をする。
すると、男性は目を丸くし、五人をまじまじと見た。
「君達が…かい?
…やめるんだ。手慣れの冒険者が勝てないのに、君達が勝てるわけない。
さ、早く帰りなさい」
有り得ないという顔をして追い払おうとする男性。
だが、そんな男性にウィンは食ってかかった。
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