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神崎雅斗(かんざきまさと)はその夜、なかなか寝付けなかった。
明日の大友瑠香(おおともるか)とのデートのことで胸が高まり、寝るどころではなかった。
できたらいいなぁ……。そう何度願っていただろう。それが思いがけず実現するのだ。
古いお寺の一室。
本堂と渡り廊下で繋がった住居スペースはやたらに広い。
以前はたくさんの修行僧が寝泊まりしていたために部屋がたくさんあったからだ。
今は両親と雅斗の3人で広すぎるスペースを持て余して暮らしている。
そんな部屋の一つ。雅斗は布団にくるまりながらゴロゴロと寝返りをうちつつ瑠香のことを考えていた。
大学で同じゼミになったことから知り合ってもうすぐ1年がたとうとしている。
一目見た時から雅斗は瑠香に目を奪われた。
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