三節

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薄暗く、粉雪が降る森の中を一人の少女が必死で走る     しばらく走っていた少女は、背中に熱を感じてその場に倒れた     「…………う、うぅ……」     背中を斬られてしまった少女は、痛みを堪えて立ち上がろうとしたが、上手く力が入らない     仰向けになって、視線を自分を斬った男に向ける     少女を斬ったのは男の兵士、ニヤニヤと笑いながら少女を見下す     「へへ、悪く思うなよ?あのお偉方を殺ったお前さんを殺して手柄をたてりゃあ、オレは出世できるんだよ」     兵士の男を見て、少女は空を見上げた     ドス黒い空からゴミの様に降って来る雪を見つめる少女     こんなもんか     少女が自分の人生に対してそう考えた、なんだか笑ってしまう     生きる為に決死の覚悟でやって、死が決定したわけだ     うん、まぁまぁの喜劇になったんじゃない?他人から見れば     少なくとも、目の前の男から見ればあたしの人生は実に役立ったのだろう     あぁ~背中痛いし右肩の烙印痛いし、殺るなら早く殺れって、どーせあたし助かんないんでしょ?     そんな事を考えて男を見ると男は剣を無駄に振り上げている     そんな振り上げなくても、あたし一人くらい簡単に殺せるでしょーが     てか、勢いつけるのはいいけどさ、変なとこにあてて痛みを増やさないでよ、マジで     少女がそんな事を考えていると、男が剣を振り降ろした     終わったなぁ~とか考えていたが、少女の人生は終わらなかった     男は、ぶっ飛んでいた…………突如現れた、長くて水色の髪をしていてトンファーを握った女性の蹴りによって。
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