三節

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「――――――――――――ッ」     小鳥のさえずりの響く、のどかなとある宿の一室の床でエリザは目を覚ました     近くにあるベッドを見た感じ、ころげ落ちたらしい     だからベッドは嫌いなんだと悪態をつきながら、エリザはよろよろと立ち上がる     しばらくぼんやりとしながら外を見る     ずいぶん、昔の夢見たなぁ     あくびをして目をこすりながら、なんで今更あんな昔の夢を見たのかを考えてみたが、原因は解らない     トラウマにでもなっているのだろうか?だとしたら、あたしはずいぶんデリケートらしい     うんうんと、エリザは満足そうに腕を組ながら窓の外を見る     そりゃあ、あたしはまだ十と七歳だし、当然昔の事で悩む事はあるだろう     あたしは思っている程たくましくはない、か弱い美少女なのだ     「うん、やっぱあたしは普通だっ!」     グッ、と拳を握り、普通よりも明らかに下な行動をとったエリザは、さて着替えるかと呟いて身を翻した。
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