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「ごめんね…ごめんね…」
滴り落ち落ちるは涙の粒…
それは小さなものにぽつんと落ちて小さなものは目を開ける…
初めて見たものは自分の母親のただ許しをこう、そんな姿だった。
「あぁなんということだろう、数百年ぶりに呪われた子を授かるとは何ということだろう!」
呪われし子、それは黄龍伝説で伝えられた悪しき麒麟と同じ三本の角を持つものを指していた。
幼い麒麟はただただ首を動かしその二人の様子を観察していた。
どうして…?
どうして…?
どうして…?
なんで…?
そばにいるのは母親、少し離れた場所で騒いでいるのはこの村の村長のような人だろうと幼い麒麟は生まれながらそれとなく理解した。
しかし嘆く理由など分からない幼い麒麟は生まれたばかり…この先に待つ悲しみを知るわけもなかった…
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