21―悲しいカップル―

2/3
1917人が本棚に入れています
本棚に追加
/178ページ
“亜美、どうやってあの電線とるのさ?” “ふふーん。簡単よ。  このラケット持つところがゴムなのょ。これでうまくいく” 亮也は心配で仕方なかった。 亜美がしていることは正しいのだろうか? こんな電気の塊を首に当てると普通死ぬ。生き残るどころか・・・・ 「何してるの?」 振り返るとそこには森本真琴(女子20番)がいた。 「真琴ー!!」 亜美と真琴は2人共中川郁美(女子11番)と仲が良く、 郁美繋がりでよく話したりすることが増え、仲が良くなっていた。 「2人で何しているの?それに亜美それ・・・・・」 亜美は慌ててテープを隠した。 「いや・・・ね。どーしようもないからさ、暇つぶしにこれはずしててだけ」 「そう」 そういう真琴の腕には大事そうに人形が抱かれていた。 普段の真琴は人形なんて抱いて歩くような子じゃなかったはずだ。 「森本さん、それ…」 「あぁ。これ鞄に入ってたの。支給のね。可愛いでしょ?」 「うん。なんだか小さい女の子とかが喜びそうだ」 亮也には妹がいるのでそういうのがわかる。
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!