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ここはアルカとフェニルの国境付近。
そこはよく晴れた昼下がりだった。
柔らかな陽射しが地上を包み、眠気を誘う暖かな陽気にしている。
だがそんなことなど気にしている暇もないほどケンとステラは追い詰められていた。
数十人の山賊達は斧を持ち、下卑た笑みを浮かばせながら二人を追い詰めていた。
「……なんでこうなるかな?」
ケンは原因となった隣の少女に言った。
「し、仕方ないでしょ?
こうでもしないと街の人達が襲われてしまうじゃない。」
「たしかにそうだけどやり方ってもんがあるだろ!?」
「つべこべ言わずに何とかする方法を考えてよ!!」
そんなやりとりをしていると山賊の一人が気味の悪い笑みをこぼしながら言った。
「ぐへっ、ぐへへへ!!
兄ちゃん達、まさか俺達に喧嘩売るとはな。
それなりの落とし前をしてもらおうか!?」
そう言うと少しずつ二人を追い詰めていった。
なにが起こってこんな事になっているか説明しなくてはならないだろう。
それは数十分前………………。
「ん~~~~っ!今日もいい天気ね。」
ステラは欠伸をしながらそう言った。
「あぁ、こんなにいい天気だと昼寝をしたくなるな。」
「まだ寝るつもりでいるの?
あれだけ寝てたのに……。」
実はケンは今の2、3時間前に起きたばかりなのだ。
ステラのこの反応は当然である。
「当たり前だろ?
あんな起こされ方されりゃ低血圧にもなるよ。」
「あんなの起きなかったあなたが悪いんじゃない!」
その起こされ方とはステラがケンにクロスチョップをくらわせるというひどいやり方である。
まぁいつまでたっても起きなかったケンも悪いが……。
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