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「犯罪そのものをドラマや劇の一部に見立てた、劇場型犯罪に近い感じがするんですけど」
「それに猟奇殺人か。だが、現場にあるものを使っている点や。その割に遺体の損傷が激しいのを気にしていない様子からしても、やり方は極めて稚拙だな」
井原が出した答えは明の求めるものと一致したのだろう。満足そうに頷いて二度三度相槌を打つと、一言一言を慎重に選ぶようにして返す。
それを聞いた井原も、そのまま明の考えに乗るようにして続けた。
「ですから、秩序型でも知能犯の可能性は低いと思うんです」
これには高村も驚きを隠せないらしく、だが会話の邪魔をしてはいけないと理解しているのか、真剣に聞き入るだけである。
「そうかもな」
実はレベルの高い会話に高村はともかく、令も新野も、ついていけない様子ではいるが、それでも大人しく話に耳を傾けている。
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