ひとつめ🍀

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ひとつめ🍀

私が高校生の頃の話です。朝、起きられなくて遅刻しそうでイライラしていて親にも八つ当たりをして、朝食ぬきで慌てて家を出て学校行きのバス停へ走ったら、目の前でバスが行ってしまい、真冬で風も強くてとても寒い中待つ事に。その間にポツポツ雨が降ってくる時のように最近ついてなかった事が思い出され、親に八つ当たりをした事の自己嫌悪もあり気持ちはズンズン暗く重くなって。 ようやくバスが来て乗る事ができた時にはすっかり落ち込んでいました。遅れた事もありバスの中は空いていて椅子に座る事ができたけれど、途中から自分の学校とはほかの、女子高の学生が乗ってきて混み出しました。席も、優先席を含みその学生で満席です。しばらくして、一人のおじいさんが乗ってきました。杖を持っていてフラフラでした。おじいさんは優先席の前へ行ったのですが、女子高生は全くしらんぷりで、おしゃべりに夢中。私はちょうどそのおじいさんの背中側の席に座っていたので、おじいさんの肩をトンと叩き「ここ、どうぞ」
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