第十一章─抗争勃発─

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「あ、志摩はここに残っててくれ」 結城に連れられてこられた部屋で結城が言った。 「え…なんで?」 「いいから!」 結城は、声色を変えて言った。 「……わかった」 そう言って、女の人が志摩を連れて行った。 「何で千秋はいけないの?」 雨宮が結城に迫った。 結城は、一瞬迷ったような顔をしたが、志摩のこと、さっきのことを全て雨宮に教えた。 「え……結城の敵は…千秋のお父さん?」 霧科は、予め聞いていたのかは分からないけど、いつものように無表情だ。 「そういうこと。 志摩には言うなよ。傷つけるだけだから」 「……わかった。 でも、いつかバレると思うよ」 「わかってる」 結城はタンスの中から色々取り出した。 「来たくないならさっきの部屋に戻っていいからな。来てくれるならこの服に着替えてくれ。 制服着ていくわけには行かねぇし」 そう言って、結城は真っ黒で臑のあたりまであるコートを持ち上げた。 正直…動きにくそう。 「まぁ着てみろよ。意外と動きやすいから。」
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