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「あ、志摩はここに残っててくれ」
結城に連れられてこられた部屋で結城が言った。
「え…なんで?」
「いいから!」
結城は、声色を変えて言った。
「……わかった」
そう言って、女の人が志摩を連れて行った。
「何で千秋はいけないの?」
雨宮が結城に迫った。
結城は、一瞬迷ったような顔をしたが、志摩のこと、さっきのことを全て雨宮に教えた。
「え……結城の敵は…千秋のお父さん?」
霧科は、予め聞いていたのかは分からないけど、いつものように無表情だ。
「そういうこと。
志摩には言うなよ。傷つけるだけだから」
「……わかった。
でも、いつかバレると思うよ」
「わかってる」
結城はタンスの中から色々取り出した。
「来たくないならさっきの部屋に戻っていいからな。来てくれるならこの服に着替えてくれ。
制服着ていくわけには行かねぇし」
そう言って、結城は真っ黒で臑のあたりまであるコートを持ち上げた。
正直…動きにくそう。
「まぁ着てみろよ。意外と動きやすいから。」
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