朝はやっぱりランチャーマグナム

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「遅刻するわよ~」 青いブロンドの髪の女性が、一つの部屋へ声をかける。 女性はシャープな眼をしており、優しそうな顔立ちをしていた。 「は~い」 部屋の中からは眠そうな少年の高い憂鬱な声が聞こえてきた。 「ヒロ~遅刻するわよ~」 なぜか同じ言葉を繰り返す女性。 部屋の中の少年はヒロという名前らしい。 彼女の名前はリョウ。 一児の母である。 で、その息子がこの少年――ヒロなのだ 「わかった!わかったよ!」 リョウがしつこいので、ヒロは声を荒げた。 だが、ふとんが恋しい。 「遅刻するわよ~」 三度目。 口調はやはり一度目と同じ優しい口調だ。 だが、手にはいつ持ったのか『高機動ランチャーマグナム』が装備されていた。 小さな惑星なら一発で消し飛ぶ破壊兵器だ。 ヒロから返事が無い。 とうとう二度寝が始まったのだろう。 女性はニコニコしながらマグナムを装備し、発射体制をとる。 「遅刻ゥ!するわよォォォォ!!」 よくわからない掛け声を叫びながら、リョウはマグナムを発射した。 豪快な爆音と共に、部屋が吹き飛んだ。
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