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『クヌギの木だけ照らせばいいから。クヌギの木にしかいないから。』
いや、クヌギとかわからん。
てか、マジであなたが恐くなってきたよ。
汗まみれのHの回りには蚊の羽音が異常なまでの大音量で鳴り響いていた。さんざん探して、結局小クワガタ三匹しかつかまらなかった。
僕はちょっと楽しくなって虫採りにマジになっていると、Hはいきなり林を走り抜けて言った。
『蚊ぁぁ、蚊ぁぁぁ!!!』いや、今気付いたの??街灯の下に立ったHは虫刺されベースの顔に目、鼻のパーツを当てはめたような残念な顔になっていた。発狂したようにHは叫んだ
『日本脳炎!!!!』
リアルに心配するほどの状態だった。
てかH、今日は全体的に変だよ。
変なお薬的な心配をしながら、意を決して尋ねた。
『お前、お薬やってるんだったら絶交ね。』
正直、100%お薬をにらんでいた。
Hは言った。
『いや、今日は占いで少年の心で生活すると、運命の出会いがあるって言ってたから。』
午前4時。
どんな出会いを求めて、こんな林の中に…。
そして、Hの少年の心ってどんなん……。
もう寝よう。
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