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ミリアとルシフェルが婚儀あげてからどれだけの時が経っただろうか。恐らく2年ぐらいが経っていた。
2年間、特に目立った戦争や内戦もなく平和だった。あれから色々なことが変わった。
優衣は月の神子であるが、天界で紫永や凪と仲良くやっているようだ。イザキはルシフェルやミリアの城に直接仕えるようになった。
ヴァンは冥界に帰り、王として冥界を制御していた。バランスが崩れることのないようにと。
シルベールもまた、黄泉で今まで通り黄泉を管理しているようだ。ミリアとルシフェルは二人仲良く幸せに……っとは言えるか分からないがのんびり暮らしていた。
やはり小さな揉め事はあるため、それを止めたりするのが大変だった。
ある日ミリアは一人で城の屋上から世界を見渡していた。
「平和だなー……幸せ。でもそれが長くは続くかは分からないから不安」
ミリアはボソッと独り言を呟いた。そして壁にもたれかかりながら風を感じていたら、痛々しく飛んでいる鳥を見かけた。思わずその鳥に向かって手を伸ばして叫んだ。
「こっちへおいで!!手当てしてあげるから!!」
鳥は一瞬睨んだがちょっと近づいた隙に手に包み引き寄せた。
鳥は弱々しく暴れていた。
「大人しくしてなさいっ!!怪我してるんだから」
そしてミリアは優しく撫でると鳥は暴れなくなった。それを見てホッとしながら、鳥の傷を見てあげた。
「骨が折れてるんだね。魔法だと無理矢理すぎるから包帯巻こうか」
ミリアはにっこり笑いながら言うと鳥も小さく鳴いた。鳥をそっと手で包みこむようにして、自分の部屋に向かった。
部屋に着くと包帯を探した。
「うーん……」
ミリアはガサガサと探していた。鳥はゆっくり羽根を動かそうとしていたが全く動かなかった。
「あった!!」
ミリアは嬉しそうな顔をして、鳥のところに行き、手当てした。痛くない程度に優しく巻いた。
「多分まだ飛べないだろうからしばらく此処にいて良いからね」
鳥は嬉しそうに鳴いた。その声に釣られてか、誰かがノックした。言わずとも分かる。ノックだけでも十分個人差があるのだ。
「入って良いか?」
「良いよ」
そしてルシフェルがゆっくり開けると唖然としながら鳥を見ていた。
「その鳥どうしたんだ?」
「近くでよろよろと飛んでいたから助けてあげたの」
ミリアは嬉しそうに笑っていた。
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