知香のどうでもいい話

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  鼻水を垂らし、彼女はグシャグシャの顔を、写宮に向ける。 「ブッ……!」 「なにが……?」 「ああ、いや。あのドラマ見たいんなら、見せてあげるよ」 「えっ! 本当!?」 「うん、僕ビデオ撮ったから」 いまだ笑いを滲ませ、必死に震える口を閉じている写宮。 そんな彼に、知香は救われたような表情で抱きついた。 「わあっ!」 「写宮くんー!」 「ちょっと、抱きつかないで! 暑苦しい!」 「ありがとう! 嬉しい嬉しい!」 「わかったから!」  
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