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やれやれ。
俺は、太い門柱の陰に身を寄せながら、大きく溜め息をついた。
アヴァロンで、散々悪態をついてやった『教会』に、今度は逃げ込む羽目になるとはね…。
なんだか、バチでも当たりそうだが、十字を切ってる暇はない。
ハンドガンのセイフティを解除しつつ、索敵。
こっちの動きに釣られて、廃墟ブロックに姿を現してくれる事を期待したのだが、残念ながら、それ程マヌケな連中じゃ無かったらしい。
呼吸を整えながら、辺りを窺う。
…マズいな。
コレじゃ、返って囲まれちまうぜ。
路地の暗がりから、俺の動きを窺う気配がある。
レーザーサイト付きの小型サブマシンガンか、重装ハンドガン。
アサルトライフルって可能性も否めないが、そんな装備のまま、街中をストーキングするような非常識な連中はいない。
…と、思いたい。
俺は、囲まれるリスクを回避する為に、聖堂へと後退する事に決めた。
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