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人は、どうしようもなく混乱したとき、無意味な行動を繰り返すものだと言う。
現在の俺、柳瀬 蓮の場合は、既に壊れて動かなくなった携帯を開けたり閉めたりを繰り返すことだった。
制服はボロボロで、穴が開いたり所々破けたりしている。
本来、学校の前には住宅街があったはずだが、今は見る影もなく廃墟と化している。
いつの間に学校から出て来たのだろう。
ふと気付き、振り返る。
学校は、ほぼ瓦礫と化していた。
校舎、体育館、テニスコート、剣道部主将として部活を仕切っていた武道館。
全て…
全てだ。
横に目をやると、うつぶせに倒れている女子の姿が目に入った。
ハッとなり、急いで駆け寄る。
仰向けに起して支え…ようとした瞬間、彼女の体は崩れて消えてしまった。
まるで砂のように。
「!?」
常識ではまず有り得ない死に方。
わけがわからず、俺の目には涙が浮かんでいた。
嗚咽がもれる。
吐き気がする。
「なん…だ…これ…?
何なんだよこれはっ!!」
俺は、ありったけの声で叫ぶ。そうでもしないと狂ってしまいそうだったから。
「そうだ!雄太に由佳ちゃんはどこへ!?」
話は、数時間前に遡る。
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