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「……ん?」
黒い何かが俺の前に降りた。いつもの事だからさして驚かない。
つか今日もかよ!
「なあ。たまには休みくれてもいいんじゃねえ? もうほぼ毎日、ぐあう……!」
黒い何かは躊躇わずに跳躍して、俺の腹にタックルをかました。
いてえ……。鳩尾に骨が入った……。
「ふにゃあ!」
毎日毎日来て、休みが無いから不満あるけど。
「はいはい。行きゃいいんでしょ行きゃ」
「シャー!」
「すんません! ついて行かせて頂きます……」
何となく言いたいことは分かるから、今日もついて行こう。
「ちょっ! 塀に登るな! 俺は人間だからそんな身軽じゃ……」
「にゃ!」
「頑張れって。無理なもんは無理……。って屋根に登るなって!」
この不思議な黒猫に。
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