終わった日々と始まる日常

2/2
338人が本棚に入れています
本棚に追加
/378ページ
  「……ん?」  黒い何かが俺の前に降りた。いつもの事だからさして驚かない。  つか今日もかよ! 「なあ。たまには休みくれてもいいんじゃねえ? もうほぼ毎日、ぐあう……!」  黒い何かは躊躇わずに跳躍して、俺の腹にタックルをかました。  いてえ……。鳩尾に骨が入った……。 「ふにゃあ!」  毎日毎日来て、休みが無いから不満あるけど。 「はいはい。行きゃいいんでしょ行きゃ」 「シャー!」 「すんません! ついて行かせて頂きます……」  何となく言いたいことは分かるから、今日もついて行こう。 「ちょっ! 塀に登るな! 俺は人間だからそんな身軽じゃ……」 「にゃ!」 「頑張れって。無理なもんは無理……。って屋根に登るなって!」  この不思議な黒猫に。    
/378ページ

最初のコメントを投稿しよう!