10.俺がいて、アンタがいて

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でも、体が動かない。 思った通り、会長は机から体を乗り出してきた。 会長の顔が近づいてくる。 無意識のうちに目を瞑ると、唇に柔らかいものが触れた。 軽く下唇を吸われ、会長の舌が唇の割れ目をなぞると背筋がゾクゾクする。 会長の舌が俺の歯をなぞり始め、息苦しくなって口を少し開けるとまるで狙っていたかのように口の中に入ってきた。 ヤバイ、ヤバイってェ~!! 「……ん、は」 クチュッと音がして会長の口が離れた。 最後にチユッと唇を吸われる。 「……かわい」 会長に呟かれて、我に返る。 ぎゃーっ、今こいつ何したよ! つか何で俺抵抗しないし!? 「うわー、うわー、うわー!!」 叫びながら会長に殴りかかる。 ぶっちゃけプチパニ状態だから力とか入ってないも同然だけど。 「真っ赤。……期待するぞ」 会長が何かボソッと言ったけど、理解できなかった。 「ちょっと前後したが、言うぞ。俺と付き合え。俺はお前が好きだ。ずっと好きだった」 「ギャー! マジやめて!」 いきなり告白しはじめた会長の唇を慌てて押さえた。 無理無理無理。 何でって? ……恥ずかしすぎて。
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