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「いや…これといって変化はないけど……あっ…腰が少し痛いかな…」
「そんなの我慢しなさいよ…。
まぁ…大丈夫そう…」
由真がそこまで言ったその瞬間に、事態に変化が訪れた。
それは本当に一瞬のこと。
それまで二人が確かに立っていたその扉が、無音無動作のうちに消失した。
いきなり宙に投げ出された二人は、声すらあげることができなかった。
反射的に由真が下を見ると、そこには何もなかった。
ただ扉の形のままに伸びる穴がどこまでも続いている。
奈落、闇、そう称するのが何よりも正しいその空間に向け、空達は地球上に存在している以上、異端の力無しでは抗うことのできない力に引き寄せられ、永久の闇に溶けていく。
紗希もオルスカも一瞬遅れて叫んだが、空と由真には届かなかった。
そして、力を受け終えた扉は、まるで役目を果たしたとでも言わんばかりに、一瞬にして閉じられた。
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