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彼女の手を握りしめたまま、
いつの間にか眠ってしまっていた。
「ん…」
あたたかい温もりを感じて、ゆっくり目を開ける。
頭を撫でている優しい手。
「ユイ…?」
ハッとして、顔を上げる。
ユイが俺を見て微笑んでいた。
「おはよう。孝之」
「ユイ…!」
涙が溜まり、ユイの笑顔が滲んでいく。
「良かった…良かった…!」
笑顔を向けてくれたことが嬉しくて。
安堵の涙が溢れた。
ユイは、泣いている俺の頬にそっと触れた。
「心配かけてごめんね」
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