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…―俺はこの屋敷の二階の窓から、いつも隣の高校をぼーっと眺めていた。
眺めているだけで、俺が高校生だった頃に戻ったような錯覚を起こすのだ。
別に、その高校が母校という訳ではないのだが、その高校には、俺の母校と似た雰囲気があったのかもしれない。
そしてあの少女、未尋に恋をした。
その少女は、周りの人とは明らかに違う空気を漂わせていた。
そして、夜遅く―…俺が仕事から帰ってくる頃の、とても遅い時間に、学校の隣の公園のブランコに一人で乗っていることが多々あった。
最初は、ただの"好奇心"だったのかもしれない。
だが―…しばらくすると、それは俺の中で"恋"というモノに変わっていった。
すると、俺は二階の窓にビデオを設置するようになった。
もっとあの子の事が知りたい―…。もっとあの子のすべてを―…。
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