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「ど…どぉゆぅ事?💦私死んじゃうの?💦ねぇ、ここってなんなの?💦💦」
もう、怖いとか言ってる場合じゃなかった。
私は、ゼグラに食いつくように言った。
大男ゼグラは、
「ほれ、そこの穴から見てごらん。現実世界のお前さんがおる。」
小さな穴を指差して言った。
私は、恐る恐る穴を覗いてみた…
薄暗い小さな部屋…
ここは、病院の一室みたいだな。
その中で私は、意味不明な機械を、沢山つけていた。
まるで、機械に生かされてるみたい。
「あれが私…?私、死ぬの?」
体中が、凍るような感じがした。
「それは、分からんな。これからのお前さん次第だ。」
ゼグラは、一枚の紙を差し出し、私を哀れむように、話を続けた。
「これを持って、生き返りたきゃ西の青い関所に、生まれ変わりたきゃ東の赤い関所に行くといい。
ここに、とどまっていると どっちも出来なくなる。つまり、俗に言う幽霊になって 永遠にさまよい続ける事になるんだ。」
やっと、現状を理解出来た。どうやら私は、あの地震で植物状態になってるみたいで、ほっておくと近い内に 本当に死んでしまうらしい。
そんなの嫌だ!
だって、私まだ恋だってしてないし、これから 学校卒業して 憧れの美容師になるのに…。
その為に、今まで頑張って来たのに…。
「ゼグラ、私 青い関所に行く。」
もう、迷ってなんかいられない。
私は、西へと歩き始めた。
「覚えておくがいい。関所からが、お前さんの本当の旅の始まりだ。最後迄、諦めるんじゃないぞ」
ゼグラの助言を背に受けて 私は、歩き続けた。
白い音もない世界を…
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