日常

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憂鬱そうな顔をしながら頬杖をつく空。 「謝っちまえよ」 背中にそんな声がかかる。そして、声の主は空の目の前に現れた。 名村亮介<ナムラ・リョウスケ>。親友という部類に入る空のクラスメートだ。 空はため息混じりの答えを返す。 「簡単に言うなよ…お前の彼女と違って頑固者なんだから」 悩みの種は彼女の事である。情けない話だが現在ケンカの真っ只中。 「桃は純粋なんだよ~」 「純粋すぎなんだよ」 亮介の言うように、謝ろうとは思っている。だが、どうにも納得がいかないのだ。 それというのも、ケンカの原因があまりにくだらないから。 まだ付き合い出して大した時間もたっていないのに、こんな感じで大丈夫なのだろうか? 少し不安だったりする。 ああしておけばよかった。そう思うトキはいつも手遅れになっているもの。 今回もそういう事になるのだが、先に述べたようにその事を空が知るよしはなくて、この事態を変えることももうできなかった。
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