ピンチ!のちのち初デート

9/14
2356人が本棚に入れています
本棚に追加
/252ページ
わざわざ自分から挑発するって……。 男らしいっちゃ男らしいけどね。 「まぁな…」 一輝は小さく微笑む。 「いつもあんな風に喧嘩ふっかけるの?」 俺は疑問に思ったことを聞いてみた。 「いや…無駄な争いは好きじゃないから」 一輝はまた涼しい顔に戻る。 「じゃああれはどうして喧嘩なんかふっかけたの?」 また疑問に思ったことを聞いてみた。 「痛そうだったから…腕」 一輝は前を見ながら言う。 腕? ……。 もしかして男に掴まれてた俺の腕のため? 「私のため…?」 俺は一瞬、胸がドキッとした。 「まぁ…すぐ折れちまいそうな細い腕だし…ドラム叩けなくなったら大変だろ?俺達のバンドの大事なドラマーだから…」 俺は一輝のその言葉に感激寸前だった。  
/252ページ

最初のコメントを投稿しよう!