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二階から姿を現した兄さんが、玄関へと降りて戻ってくる。
というか、兄さんはあの短時間で一体、いつ、どうやって二階へと上がってたんだろう?
……謎だ。
「悪いな! ちょっと忘れ物を取りに行っていたんだ。待たせたか?」
「……別にいいよ。それより何を取りに行っていたの?」
「ああ!! これさ――!!」
そう言って、兄さんは手に持っていたものを僕に見せた。
「えーと、……リボンだよね、これ?」
兄さんが手にしているのは、僕がツインテールの髪型にする際に、髪の毛を結ぶリボンだっだ。
何故にリボンなのだろうか?
……ま、まさか。
「さて、蛍! ツインテールにしようか!」
……やはり、そうきましたか。
はぁ~。
なんで、こんな展開ばっかりなのでしょうか、神様?
兄さんが物凄い笑顔でこっちに迫ってくる。
なんだか、その笑顔が不気味に見えて、仕方ない。
体中に怖気が走ってきた。
ああ、何か嫌な予感がしてきた……!
「えー……っと、兄さん、……聞いていなかったの? ぼ、僕は――!」
「大丈夫だよ、蛍はツインテールがいいんだよね~!」
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