忍者

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直人は伊賀の里にいた。 郷里の英雄、服部半蔵に会いたかったのだ。 直人は三重県の山奥の小さな村で産まれた。 戦国時代は北畠家が伊勢を治めていた。 その北畠家の霧山城があった村だ。 直人が育った昭和には城跡だけが残っていた。 織田信長軍の秀吉隊に城を焼かれたのは有名な話だった。 村の敵を400年さかのぼり、宿敵、織田信長に一泡吹かせてやりたかった。 歴史を変えてはいけない。 変えれば自分も時空から抹殺される。 なぜか自然にそう考えていた。 それならば、徳川家康の天下盗りを楽にしてやろう。そう思ったのだ。 家康に仕え、天下盗りに一番尽力した人物。 服部半蔵に協力すれば勝ちゲームになる。 顧客を喜ばせ、信頼を勝ち取り、報酬を得る。 営業の基本だ。
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