ステップ15

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 コンビニ近くになると、人の姿が増えてくる。多分、花見に来て飲み物とか食い物とかを買い足しに来てんだろうねー。今日はこの店、大繁盛だな。よかったな、店長!誰か知らねーけど!  辺りを見渡しながら隣にいる千秋に視線を移して、声をかけた。 「美月さんがおつりで好きなもん買っていいって言ってたし、みんなで食えそーなお菓子でも買おっかー。千秋、なんか食いたいのある?」 「甘いの」 「範囲が広い! ほら、チョコとかさ、飴とかそんな感じでもっとピンポイントで言えって!」 「じゃあ、チョコ」  あと、クッキーみたいなのがいいって言った千秋に、リョーカイと笑って返事をする。  頼まれたのってコーヒーとガムだけだし、おつり結構出るよなー。  普段は買わねーちょっと高めなヤツを買うべきか、安めのヤツを買って、多めに残して美月さんに返すべきかー……うーん、悩むところです!  そうやって、なんとなーく話をしながらコンビニへと足を進める。  自動ドアの上のとこに、ヤマサキ春のパン祭り!なんて感じのポスターが貼ってあんのが見えた。ポイント貯めたら今流行りのエコバック貰えんだってさ。  お袋がこういうの集めんの好きでさ、やったらこういうグッズが俺んちに溢れてんの。主婦ってあーいうの好きだよねー。千秋もいつか奥さんになったら集めんの好きになんのかなー。え?誰の奥さんだって?そりゃもちろん決まってるでしょ!なーんちゃって!  そうやって、パン会社のポスター1つで、しょーもねえことを考えながら、足を一歩踏み出すと、ウィーンっと自動ドアが開いた。  さーて、何買おうかなあーなんて考えながら視線を上げる。そして、目の前に広がった光景に思わず足を止めてしまった。  え、えええ……うそん。どんな偶然だよ。  隣にいた千秋も大きな目をさらに大きくさせて、立ち止まっていた。 「千秋……」 「……お兄ちゃん」  そこには、両手にビニール袋を抱えて、驚いた顔をしている夏生さん。  夏生さんの後ろには、この前、ファミレスで見た淳平って呼ばれてた人が立っていた。  か、考えていたことが考えていたことだけに、内心、ぎゃああ!!って叫びたいくらいビックリしちゃいました。お、俺の心読まれてねえよな!?
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