私のお兄ちゃん

2/2
57人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
私のお兄ちゃん 自慢のお兄ちゃん 優しい 面白い 格好いい 私から見たらなんでもお兄ちゃんが一番!! まだ私が小さい頃は毎日、毎日一緒に遊んでいたけど… 今はもう… お互い学校とか忙しくて 同じ家の中なのになんだか寂しい 「お兄ちゃん…」 自分の部屋の中で小さく名前を呼んでみた。 しかし聞こえるはずもない。 「お兄ちゃん…」 同じように繰り返す。 本人に届くこともない。 私のお兄ちゃんは、自慢のお兄ちゃん。 だから学校でも人気なのかと思うと、嬉しい。 でもなんでだろう… なんか心の奥が小さく痛い…なんでかわからないけど…痛い 「お兄ちゃん…」 「ん?どした?」 え??? 聞こえないはずの声が、すぐ後ろから聞こえた。 「お兄ちゃん!!」 勢い良く振り向いたら 扉の前に立ってる人が。 「辞書借りようと思って、ノックしたら返事ないから」 「え??ノック??」 色々頭の中で考える事に夢中になってて気付かなかったみたい。 「入っていい?」 「うん。いいよ」 「辞書、借りてくなw」 「はい、ど-ぞw」 「おう!さんきゅw」 そう言って、お兄ちゃんは部屋を後にした。 「びっくりした。聞こえてたのかと思った」 もう、突然過ぎでしょ!! 「何にびっくりしてるかわからないが、あまり悩むなよ?」 え??? お兄ちゃんは扉を閉めるそぶりをしていたのだ。 「そのうち皺が増えるぞ~w」 「ちょっ、お兄ちゃん!!」 「ははw」 そういって、今度はほんとに部屋を後にした。 やっぱり、お兄ちゃんだw 心の奥の痛みはわからないけど… お兄ちゃんは昔から何も変わってないね!! うん、ずっと同じだね 自慢のお兄ちゃん 私の大好きなお兄ちゃん そのうち 心の奥の痛みがわかるようになるのは… そんなに遠くの話ではない事に 後で気付いていくのも知らないまま…
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!