初夏に緩む心

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7月中旬。じめじめと鬱陶しかった梅雨も明け、雲の間から覗く真夏の太陽が容赦なく地表を焼き続ける。 夏休み前の浮かれた空気は学生たちをだらけさせ、プールなどは涼を求める人たちで賑わっている。 そういう僕もそんな浮かれた一人で、学校帰りに近くのアイスクリームショップに寄り、贅沢にも三段重ねのものをを買って帰るところだった。 大変だったテストやその返却もようやく終わり、残るは夏休みまでの数日のみ。浮かれ気分の僕は、早く帰って昨日買ってきたばかりの漫画でも読もう。そんな何気ないことを思いながら帰路に就いている。 いつもとなんら変わらない、普通の一日。今日もそうなるはずだった。 そう、彼が現れていなければ───
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