パブロフの犬

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仕事中、眠くなるとフリスクをよく噛んでいた。 最初は効くけど、そのうち効かなくなり、だんだん一回に噛む数が増えていく。 もう効果がないので、噛むのをやめた。 最近は睡魔に戦いを挑むことはない。睡魔に襲われた場合、 「パトラッシュ、僕はもう疲れたよ。何だかとても眠いんだ。」 とわかりやすく、つぶやきだす。 睡魔というおおいなる力に、人はあまりにも無力すぎる。 しかも起きた後 「誰か俺にラリホー(ドラクエの眠らせる呪文)かけました?」 と悪びれることなく、ボケをかましている。 つい最近、人と会ったとき、その人がフリスクを食べていた。 懐かしんで見ていると、「食べます?」と聞かれた。 久しぶりなので、一つもらい食べてみる。 「懐かしい味だ。よく噛んだな。」と思っているとなぜか眠気が...。 はっ、条件反射だ。きっと、眠くなるたび噛んでいたので、体が味と眠気を一緒に記憶しているのだ。 眠くなるとこの味、眠くなるとこの味、...と続けているうちに。 この味=眠いと体にインプットされに違いない。 私はフリスクをかみながら、眠れない夜に噛んでみるかとしみじみ思った。 あなたも、眠れない夜にフリスクはいかが。
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