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窓から差し込む朝日が部屋の空気を暖かく満たす、今日は七月の一日。
部屋中に美少女ゲームのポスターが張り巡らされた部屋のベッドで、高校生位の少年がハアハアとキモい寝息を立てながら腰を振っています。
ポスターの内容は『愛の人体切断・愛しの彼女は見習いマジシャン』等カオスなものから、『ニート万歳!! 僕の彼女は社長令嬢』のような、いやいやねーよ、夢見んな。と言いたくなるものまで様々。
そんな、燃やしたくなるような部屋に、フライパンを持った16歳位の少女が入ってきました。
「ほら禁児! 起きんかい!」
ベッドに向かって怒鳴り声をあげる、亜麻色のショートヘアに猫耳を生やした少女は、キャティ。
半年前のクリスマスの夜、寒さに震えてひもじい思いをしてる所を禁児に拾われた猫娘です。
「むにゃむにゃ……。いいねキャティ。そう、そのポーズ! じゃあ胸には生クリームで……」
「どないな状況やねん!!」
「うびゃぼああああ!!」
そして、脳内に保存するのもおぞましい変態寝言を漏らし、キャティのフライパンの餌食になったこの少年こそ、残念ながらこの物語の主人公、十八禁児(とうやきんじ)です。
極度の変態である禁児ですが、最近彼等が住む紅葉町(こうようちょう)に出没する悪魔を倒す救世主、討魔天使だそうです。
ちなみに、武器は股間から伸びる、必殺・天狗ブレード。最悪です。セクハラです。死んで欲しいです。
ちなみにキャティの怪しい関西弁は、禁児の持ってるゲームや見てるアニメなどから覚えてしまったものだったりします。
「なんだよ! せっかく新メニューのキャティパフェの試食を……」
「黙れ!」
「うぱぁぁぁぁっ!!」
そして懲りずにセクハラを継続するクズ野郎に、もう一撃激しい鉄拳が繰り出されます。
毎朝繰り広げられる光景。
これがこいつらのバイオレンスな一日の幕開けです。
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