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「あ・・・ありえねーっっ!」
叫びながら勢いよく急な坂道を、登る登る。
左腕の腕時計を確認。時刻8時半。登校初日にありえない、やばい、遅刻だ・・・っ。顔が真っ青になる。・・・と思いきや走りっぱなしなので赤いまま。
意識朦朧とした中、坂道を登りきった。やった・・・俺、やったよ・・・
坂道をクリアすればもう俺の通い始める成陵学園は目の前だ。
無駄に立派な装飾の校門を通り抜け、真っ直ぐに一年の教室にむか・・・いたかったが・・・どこなんだ。初めて来たわけじゃないけれど、また俺のド方向音痴が発揮されてしまった。
え、うっそ・・・どこだよ!やばいって・・・本当に!
気持ちだけが焦る。勘で走りつづける。本当にここはどこですか~・・・っ!?
「君、新入生?ここは特別棟だよ?・・・もしかして迷ってる?」
心の言葉に返事が返ってきたようでびっくりした。声のした後ろを振り向くと、小柄な美青年が微笑んでいた。上級生?
「へっ?・・・特別棟?あ、あの、おっ・・・私、教室に行きたいんです、場所教えてもらいませんか・・・?」
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