走る。

一章、朝

「ん～」ダルい体の細胞を起こすように、背伸び、コートに腕を通し、クチャクチャの煙草をポケットにねじ込む。
玄関を出て、鍵を鞄から必死で探しだししめる。
チャリに股がり、眼鏡を曇らせ走りだす。
冷たい風が耳にぶつかり、顔が強ばる。
信号を待ち、煙草に火を付ける。
前から女子高生が、寒そうな顔で通り過ぎる。
「あっ、結構可愛い」自分でも朝から馬鹿な事考えてると(苦笑)する。