街並みを歩けば

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街並みを歩けば

イアの提案から来た洋服店で、ピッタリな大きさの服を一式と耳を隠すための帽子を買った。 一応、上着にも隠すためのフードは付いている。 「完璧✨さー、宿を探しに行ったら食事だ!」 ボフッ 帽子をかぶせられ、 腕を掴まれた。 「痛い痛い!離してよ。」 「だって迷子になるんじゃないか?」 「ならないよ!!いくらなんでも!!」 とか言っていた自分を恨みたい…。 見事に商店街らしきところを歩いていて、人混みに紛れイアが消えてしまった。 どうしよう… ここは知らない国 知らない街並み 知らない人々 道なんか一つもわからない。 「イア…。」 人混みに流されないように、路地裏に入り込んだ。 歩きを止めない人達を見ながら、壁に背を付けてもたれかかった。 「キミさ、何してんのー?」 「!?」 目の前には自分より大きく、しかもガタイ男達が並んでいた。 「その尻尾、本物ー?」 さっ 後ろに隠すがクロの足よりも大きくふっさりとしているので隠しきれなかった。 「て、ことは人狼?ひゃー、珍しいもん見たわ。ちょっと触らせてよ!」 ぐいっ 「やだっ!離してよ!」 男はクロの腕を掴み引き上げた。 と、同時に尻尾を掴んだ。 「やっ!!ぃゃだぁっ」 ガッ 一番道側にいた男が飛んだ。 正確には飛ばされた、だが。image=161050167.jpg
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