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カチャ、カチャカチャ
何故か腕が、いや脚も動かなかった。それどころか首だってまともに動かせない。
どうやら枷を付けられているらしい。
この部屋には窓が無いらしく、一筋の光もないので真の暗黒が訪れている。よって枷のことが分かったのは、この音と、肌に当たる冷たい金属の感じからだ。
どうしてこんな場所でこんな目にあっているのか。そんなこと彼が知る由もない。まず、自らこのような状況を望むはずがないのである。
こうなる前、彼は至って平凡な生活を送っていた。会社へ勤め、飯を食い、睡眠する。一体それがなんの拍子で狂ってしまったのだろうか。
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