【番外編④】  衝動

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今 俺の下には何も知らずに眠るリアナがいる。 そんなリアナの寝顔が、更に俺の欲望を煽る。 「ルバ…ン…。」 名前を呼ばれて、一瞬ドキッとした。 寝言…だと思うが…。 だが、リアナ自身は絶対に気付いていないだろう。 俺にとって、お前の その姿は誘っているのだと。 俺は本能のままに、リアナの首筋に口を近付ける。 白い首筋に口付けると、柔らかい肌が唇に触れた。 これは本気でマズイ…。 もう抑える事など、きっと無理だろう。 すまない、リアナ。 こんな俺を許してくれ。 と言っても、きっと許すワケがないだろう。 リアナからの落雷覚悟だな。 俺はリアナの首筋に少しだけ舌を這わせ、牙を立てた。 「んっ…、痛っ…!」 眠るリアナが眉間に皺を寄せた。 きっと今の痛みで 目が覚めるだろう。 だが もう遅い。 本能に支配された俺を止める事など出来ないのだから。 「ル、ルバン…!?」 リアナが目を覚ました。 「ちょ、やっ…! 何して…んっ…!」 俺は片手でリアナの細い手首を捕らえ、もう片方の手でリアナの口を塞いだ。 「ん…、ふっ…!」 暫くすると、リアナの手から力が抜け、抵抗がなくなった。 俺に大人しく血を吸われる覚悟が出来たって事だな。 そうしている間にも、口の中にはリアナの血の味が広がる。 人間には区別など付かないだろうが、リアナの血は いつ飲んでも濃厚で、甘く感じる。 飽きない味だ。 ある程度の血を飲むと、俺はリアナを牙から解放し、埋めていた身体を起こす。 「リアナ…。」 リアナの顔を見た途端、俺の心臓がドクンと跳ね上がった。
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