シャボン玉のように

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五年前のこと。私と英人は、つきあって二年目だった。 報道関係の記者をしていた英人。英人の仕事は、勤務時間が不規則で、普通のOLをしていた私とは、なかなかデートする時間がなかった。 でも、少ない時間でも、時間が合う時は、デートをした。英人と会っている時間は、とても幸せな時間だった。英人は、私にとって、大切な恋人だった。 クリスマスを二ヶ月後に控えた10月の終わり。私は、英人に聞いてみた。 「ねぇ、英人。クリスマスは、一緒に、過ごせるのかな・・・?」なかば、無理だろうと思いながら、聞いてみた。すると、英人は、「今から、上司に言っておけば、大丈夫だと思うよ。記者も、何人もいるから。」 「えっ!?ほんとに!?ほんとに、大丈夫なの!?」私は、驚いた。 「いつも俺、けっこうこき使われてるから、その日くらいは、休ませてください、って今から上司に言っとけば、休めると思うよ。」英人は、笑顔で言った。 「うれしい!うれしい~!英人!」私は、英人に抱きついた。 「おおげさだな~。美花は。」英人は、私の髪を、くしゅくしゅっとした。 英人とクリスマスを過ごせるなんて。思いがけないことだった。
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