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真っ暗な夜空に、真っ赤な三日月がぽっかり一つ浮かんでいる。
それを大きな屋敷の寝室の窓からから見ている男が一人。
「今日は月が血のように紅いな・・・。何か嫌な予感がする」
男は小さな声でポツリと呟くと手に持っていたウィスキーの入ったグラスを口元に持っていくと唇を濡らしそれを飲み干す。
「はぁ~。」
今日はやけに妻が寝室に来るのが遅いな・・・。
男は首を傾げながらテーブルに置いてあるウィスキーのボトルを手にとり琥珀色の液体をグラスに注ぐ。
その時、寝室の扉を開ける音が男の耳に入った。
「遅いじゃないか・・・。今日はどうしてこんなに遅いんだ。」
男は妻の方へ振り返らずに文句を言った。
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