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ロインの言うとおりその方法だと伝書鳩や魔法を唱えたりしなくても大丈夫そうだが、俺って別にフェニキアスに何か月も滞在するつもりはない。
目的の人物が見つかればそれでいい。あとは帰るだけ。
しかも話によると、相手方の行動は見つもって数年の猶予があるとかないとか。
何年もフェニキアスにいないっつーの。異変を察知するっつってもなぁ……まぁ、数年と見込んでいたけど実際は数か月で動き出した、とかなると面倒くさいことになるかもしれないか。
万が一だ、万が一。
「良いぜ、それで。でも他の大陸に相手さんが行ってたら、そりゃもうダルい事になりそうだな」
「その可能性は十分にある。
戦闘中も何度か空間を渡るような方法をして背後を取られた。それの応用で長距離を移動されると厄介だな。ファタルに聞いてないからこんな芸当できるかはわからないけど、もしできるとなるとサヴァやフェニキアスにはいない可能性が高い」
「なーる。となるとやっぱり……」
「うむ」
ロインも俺と同じ事を考えているらしい。目が合って同時に頷いた。
そう、考えられる要素が多すぎるため、考えるだけ無駄なのだ。
行き当たりばったり!これぞ人生よ。そこで目的のもんにぶち当たれば万々歳。
「じゃ、俺は王様に許可もらってくるわ」
「おー、じゃ俺は帰って寝るわ」
そうして俺達は城内で別れた。
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