血涙

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血涙

指の先から ゆっくりと 静かに 裂けていくような そんな感覚   掌 腕 肩 胸   微塵に分かれていく 体だったものは 流れるべきものが 流れず血に落ちていく   この体に流れていた 赤い紅い血液は とうの昔に 枯れ果て失われていた   目に見えぬ 抑圧と重圧の中で 気付かぬ内に 流した涙と共に
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