貴女がいたから僕は

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「なんで僕が……」 眉間に皺を寄せぽつりと呟き隣で鼻歌なんか暢気に歌っている人物を睨む が、まったく相手は気にする様子がなく視線に気づくとこちらを向き イチゴクレープを食べていた手をとめて首を傾げた 「んなに見て、食べたいのジェージェー?」 「なんでそうなるんですか」 「あ、そう?」と言って僕が眉間に皺を寄せる原因になったノーマさんは 前を向き上手いのか下手なのかわからない鼻歌を再開する そんなノーマさんに深い溜息を吐く 「なんで僕がノーマさんの買い物に付き合わされなきゃならないんですか!」 そう、その言葉の通り街を歩いていた僕を突然拉致して 散々振り回されノーマさんの買い物に付き合わされたのだ 「しかも荷物まで人に押し付けて!」 「い~じゃん!こんな可愛い子の荷物持ちなんだからさ~」 「ぜんっぜんよくありません!!」 勢いよく言う僕にへらへらと腹の立つ笑い方をするノーマさんに もうなにを言っても無駄だと深い深い溜息を吐いた 「なぁに溜息吐いてんのさ。幸せ逃げるよ~?」 「…ノーマさんは幸せそうでいいですよね」 馬鹿にしたつもりだったのだが「まぁね~」なんて語尾に音符マークでも つきそうな勢いで僕の言動はただ彼女を喜ばすものでしかなかったらしい じと目でノーマさんを見ると不思議そうにこちらに視線を向ける
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