猛暑の8月

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「毎回毎回っ!暑いったらありゃしねぇ!!」 地球温暖化が進んでいるのか、米子市周辺はアスファルトで目玉焼きが出来るぐらい暑かった。 「また愚痴?」 そう言って呆れたのは母親だった。 「しゃーねぇだろ!?扇風機やクーラーなしなんだから」 そう。電気代削減のためにわざわざ扇風機やクーラーを使っていない。 だが、いい加減暑さに負けそうだ。 ドスドス!ガラッ! 「おい!良太。お前暇か!?」 「あいにく暑さに死にそうだ」 地面をドスドスいわせて俺の部屋に来たのは、兄貴だった。 グデーとなってる俺には、外に出る気力すらなかった。 「買い物ぐらい行けよ。つーかいい加減に起きろ!!」 手だけで追い払う。 暑いしうっとおしい。 「おかぁ!良太殴っていいか?」 「何を言ってるの!喧嘩はダメッ!!」 家は三人家族で住んでいて、こういうやりとりがある。 どちらも本気ではないので、遊びの延長戦だ。 三人家族だが、とある問題があった。 「おじさんは?」 「知らないわよ。アンタが寝てる時に出たんじゃない!?」 ――腹立つ言い方だな。殴ってやりてぇ!! おじさんのことを聞くと、母親は怒鳴るように言ってきた。 まぁ、おじさんを家に入れたのは俺が原因だが、さすがに言い方に腹が立つ。 「んな言い方すんなよ!!俺が原因なのは分かってんだからなぁ!!」 正月におじさんが泊まりに来たのはいいが、アレのせいで家族の皆や親戚にボロクソにけなされた。 「そんな言い方するなら……!とっとと、出ていけ――!!」 母親の怒声が響き、更に暑さもあり完全に頭に来た。 「ふざけんなー!暑いのに出ていくかよ!!」 そう言って返すと、母親がいる隣の居間から何か飛んできた。 ――ちょ、ちょっと待て!!当たったら死ぬ
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