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空気が痛く感じられるほどの静寂の中、リリアはガルムの言葉を待っていた。
期待と不安の両方を胸に抱き、不安定な気持ちのリリアには今の静寂は苦痛以外の何者でもない。
「リリア」
心臓の鼓動がうるさいほど耳に届き、リリアの気持ちの揺れが大きくなってくる。
「俺は」
続けざまに放たれる言葉がどちらなのか、不安と期待が最大にまで膨れ上がり、何ともいえない気持ちが心を満たす。
「お前が」
一秒が一分にも一時間にも感じられ、歯がゆい気持ちを抑えながらリリアは待った。
「お前が好きだ」
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