第十四章

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「大白鳥は見ての通り元気よ!」 力強く羽ばたく大白鳥を見せ付けるように次々に襲ってくる黒いロープを交わす。 四足の侵略者はまるで示し合わせたように、円盤型の侵略者へ攻撃を仕掛けた者へと黒いロープを繰り出す。 「アーロット! あの犬もどき、邪魔くさい!!」 「エクリーンうるさい! 今からあっち、やるところ~。」 アーロットへの攻撃が一番激しいが、アーロットは器用に避けながら手を侵略者に向ける。 狙いを定めるために集中するアーロットに円盤型の侵略者から手の平に乗る程度の目玉が飛んできた。 「きしょっ!」 エクリーンは黒いロープもどきを弾き返しながら、目の端に捕らえた円盤型の侵略者の攻撃に思わず叫ぶ。 丸々一個の眼球はアーロットの目前まで素早い動きで飛んできた。そしてそれは大白鳥の頭よりも膨らみ、赤紫の虹彩でアーロットを映す。 それをデルアが横から剣で突き刺した。 「ほらほら、ボサッとしてないで、さっさと弱体化させてくださいよ。」 「ぼさっとしてる訳じゃなくて、狙い定めてるのさ~。」
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