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序章‐追憶の夢‐
ああ。
分かる。
これは俺の嫌いな夢。
あの時の記憶の夢。
思い出したくなくてずっと記憶に蓋をしているはずなのに、いつもこうやって夢として鮮明に俺の脳裏に映し出される。
舞うように散っていく、紅く光る血。
泣いているのは『俺』。
何もできなかった『俺』。
心が、体が、魂が……全てが痛くて泣いている。
俺はもう見たくなくて、更に深い眠りにつくようにきつく目を閉じた。
深い、眠りに堕ちるように……。
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